有東木の盆踊

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有東木の盆踊は、男性の踊りと女性の踊りに区別され、また手拍子によるもののほかに扇やコキリコなど踊りによって決まった道具を持ち、伴奏は太鼓だけで、踊り手も皆で歌いながら踊り、また頭に灯籠をかざした者が中央で踊ることがあり、さらに最後の踊りの後に、道具の飾りを燃やす次第があるなどの特色がある。
この盆踊りの始まりは明確ではないが、安倍川上流域では、かつて同種の盆踊りが各地で盛んに行われ、その中には18世紀の記録を持つところがあるので、有東木でも、遅くとも、その頃には始まっていたと考えられる。
この盆踊りの歌は踊り手自身が歌うが、男性女性とも、それぞれ歌いだしを受け持つ熟練者がいて、太鼓の打ち手とともに、盆踊りの指導者となっている。現在の踊りの歌詞は20種ほどだが、明治から大正時代初期に記録された歌詞は合計で100種以上になり、その中にはむ江戸時代初期に竜呼応した歌謡と類似したものがある。
また灯篭を頭にかざした踊りは、中世に京都などで流行した風流の灯籠踊の姿をうかがわせ、さらに盆踊りの最後に、道具についた髪の房飾りなどを燃やすのは、盆に先祖の精霊を迎えて、これを慰め、その後に他の霊などとともに、これを送り出すというかつての盆踊りの姿の一つを示している。
以上のように有東木の盆踊りは、中世の灯籠踊や近世初期の歌をうかがわせていて芸能の変遷の過程を示し、また男性女性の踊りが決まっていることや様々な持ち物による踊りなど地域的特色を示すものとして特に重要である。

名称

有東木の盆踊
(うとうぎのぼんおどり)

エリア

静岡市

指定区分

国指定
世界無形文化遺産 風流踊

保護団体

有東木芸能保存会

開催日程

8月15日

開催場所

東雲寺(静岡市葵区有東木776)

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