獅子舞を伊豆・富士山麓では神楽と呼んでいる。沼田の湯立神楽は、獅子が湯立神事を行う点に大きな特徴があり、秘伝本の奥書から安永2年(1773)に甲州下吉田の行者萱沼義兵衛によって伝えられたことが伺える。他に現在同市に三ヶ所、神奈川県足柄下郡箱根町に二ヶ所伝わっており、この地域には獅子による湯立神事を行う全国的に見ても珍しい神事芸能が一群を成している。口伝では、当時沼田に悪病が流行し、その厄払いのため萱沼義兵衛から伝授を受け氏神に奉納したのが始まりだという。 神楽は不動池で水垢離した若者たちによって舞われ、不動池の水底から書き取った砂を塩にまぜ、これを塩振り役によって辻辻を清めながら全ての舞を奉納する。 「釜めぐり」の段で、2斗入りの大釜の湯を幣束で鎮めると、2本の笹束でもって3回大きくかきまぜてからさっと四方に湯花を散らせ人々を清める。翌日は区長宅の庭で直会の神楽として平舞と八本剣の舞が舞われる。(出典:「ふるさと静岡県文化財写真集」4)
沼田・大坂の湯立神楽 沼田の湯立神楽(ぬまた・おおさかのゆだてかぐら ぬまたのゆだてかぐら)
御殿場市
国指定
沼田の湯立神楽保存会
10月26日 〜 10月27日
子之神社(御殿場市沼田)
10月最終週の土・日曜日に開催
獅子舞を伊豆・富士山麓では神楽と呼んでいる。沼田の湯立神楽は、獅子が湯立神事を行う点に大きな特徴があり、秘伝本の奥書から安永2年(1773)に甲州下吉田の行者萱沼義兵衛によって伝えられたことが伺える。他に現在同市に三ヶ所、神奈川県足柄下郡箱根町に二ヶ所伝わっており、この地域には獅子による湯立神事を行う全国的に見ても珍しい神事芸能が一群を成している。口伝では、当時沼田に悪病が流行し、その厄払いのため萱沼義兵衛から伝授を受け氏神に奉納したのが始まりだという。
神楽は不動池で水垢離した若者たちによって舞われ、不動池の水底から書き取った砂を塩にまぜ、これを塩振り役によって辻辻を清めながら全ての舞を奉納する。
「釜めぐり」の段で、2斗入りの大釜の湯を幣束で鎮めると、2本の笹束でもって3回大きくかきまぜてからさっと四方に湯花を散らせ人々を清める。翌日は区長宅の庭で直会の神楽として平舞と八本剣の舞が舞われる。(出典:「ふるさと静岡県文化財写真集」4)