この田遊は、天和3年(1683)頃から受け継がれてきたといわれており、特色として①子供組が頭に切紙を房状につける点、②仮面を一つも用いない点、③大人4人組とこれに子供15人組が加わったものとの2種類がある点、等がある。また現在でも比較的多くの番数を実際に伝承している。 各地の田遊びに登場する人形は〈稲魂〉のみあれしたものと考え、これを囃し、誉め、食物をあたえて育てようとする演出が行われる。つまり稲魂としての人形を育成することで、稲の成長を促し豊作へと結びつけようとする訳である。その人形の素材も新藁・杉葉・カヤなどと色々であるが、滝沢の田遊びの人形は木俣を利用したものを現在使っている(元は新藁を使っていた)。この「タロッコ」と愛称される人形の孕早乙女が出産するシーンがある。早乙女が人形を出産するシーンを演出する田遊びは全国でここだけで、まことにめずらしい演出といえる。産み落とされた人形タロッコはその後する田主が見つけ、喜びながらひろいあげられる。(出典:「ふるさと静岡県文化財写真集」4)
滝沢八坂神社の田遊(たきざわやさかじんじゃのたあそび)
藤枝市
県指定
滝沢八坂神社田遊保存会
2月中旬
滝沢八坂神社(藤枝市滝沢1320)
例年2月17日に開催
この田遊は、天和3年(1683)頃から受け継がれてきたといわれており、特色として①子供組が頭に切紙を房状につける点、②仮面を一つも用いない点、③大人4人組とこれに子供15人組が加わったものとの2種類がある点、等がある。また現在でも比較的多くの番数を実際に伝承している。
各地の田遊びに登場する人形は〈稲魂〉のみあれしたものと考え、これを囃し、誉め、食物をあたえて育てようとする演出が行われる。つまり稲魂としての人形を育成することで、稲の成長を促し豊作へと結びつけようとする訳である。その人形の素材も新藁・杉葉・カヤなどと色々であるが、滝沢の田遊びの人形は木俣を利用したものを現在使っている(元は新藁を使っていた)。この「タロッコ」と愛称される人形の孕早乙女が出産するシーンがある。早乙女が人形を出産するシーンを演出する田遊びは全国でここだけで、まことにめずらしい演出といえる。産み落とされた人形タロッコはその後する田主が見つけ、喜びながらひろいあげられる。(出典:「ふるさと静岡県文化財写真集」4)