初盆の家々では、門口に盆の日を焚き、暗闇の向こうから笛、太鼓、それに双盤のもの悲しげな音色が聞こえてくるのを今か今かと待つ。やがて道囃子で庭入りした一団は、太鼓を縁側の前庭にすえ、双盤を庭の奥に、唄を出す念仏衆は太鼓の後に並ぶ。太鼓を上にして、撥で切るようにたたきつけて踊る第念仏のあと、太鼓を横にして、念仏種の唄に合わせて踊る放歌踊り。念仏衆をリードする音頭だしは扇を口元であおぐようにして声をゆるがせる。扇が発する風に乗せて精霊たちをやさしく彼岸へ送り出すのである。うちわを持つひょっとこが出て踊り手の間さを大きくあおぎながら笑いをとる。これは内輪という宗教的呪具を大切な採り物とした放下僧の伝えた放下念仏の特色で、放歌踊りは放下念仏の発展した形であることをうかがわせる。(出典:「ふるさと静岡県文化財写真集」4)
瀧澤の放歌踊(たきざわのほうかおどり)
浜松市
県指定
瀧澤放歌踊保存会
8月13日
林慶寺(浜松市北区滝沢町1406)
https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/bunkazai/shitei/hamatsu/hamatsu/hoka.html
8月13日~15日に開催
初盆の家々では、門口に盆の日を焚き、暗闇の向こうから笛、太鼓、それに双盤のもの悲しげな音色が聞こえてくるのを今か今かと待つ。やがて道囃子で庭入りした一団は、太鼓を縁側の前庭にすえ、双盤を庭の奥に、唄を出す念仏衆は太鼓の後に並ぶ。太鼓を上にして、撥で切るようにたたきつけて踊る第念仏のあと、太鼓を横にして、念仏種の唄に合わせて踊る放歌踊り。念仏衆をリードする音頭だしは扇を口元であおぐようにして声をゆるがせる。扇が発する風に乗せて精霊たちをやさしく彼岸へ送り出すのである。うちわを持つひょっとこが出て踊り手の間さを大きくあおぎながら笑いをとる。これは内輪という宗教的呪具を大切な採り物とした放下僧の伝えた放下念仏の特色で、放歌踊りは放下念仏の発展した形であることをうかがわせる。(出典:「ふるさと静岡県文化財写真集」4)