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文化財を楽しむ

中部 Volume.010

家康の駿府

青年、壮年、晩年の家康が暮らした駿府のまち

家康は3度にわたり、駿府で暮らしたと伝えられています。
1度目は8歳から19歳まで。家康は、有力な戦国大名である今川義元の領国「駿府」の地で学び、元服し、結婚し、多感な青春時代を過ごしました。
桶狭間で義元が敗死すると、家康は岡崎を拠点に戦国大名として領地を拡大していきます。
2度目は45歳から49歳まで。三河・遠江・駿河・甲斐・信濃の5ヵ国を領有すると、駿府城を居城としますが、秀吉の命により関東に国替えとなります。
3度目は66歳から75歳まで。将軍を秀忠に譲り、駿府城で大御所(隠居)として政治の実権を握ります。そして亡くなると、遺言に従って久能山に埋葬されました。
家康は75年の生涯のうち、約25年間を駿府で過ごしました。青少年期、壮年期、晩年期、家康の波乱にとんだ人生が、この地には残されています。

01

幼少の家康、竹千代が学んだ禅寺「臨済寺」

臨済寺[国指定建造物]は、今川氏の菩提寺です。子供時代の家康(幼名・竹千代)は、今川家のもとで臨済寺住職の雪斎(せっさい)から教育を受けました。寺は二度の戦火により焼失してしまいますが、1582年に家康が本堂[国指定建造物]を再建します。その後も、江戸幕府からの庇護を受けてきました。
臨済寺は修行寺のため、通常は拝観できませんが、年2回(5月19日・10月15日)に限り、一般公開されています。
境内には、安土桃山時代に築庭された庭園[国指定名勝]、義元・氏輝を祀った「今川神廟」、家康が学問を身につけた「竹千代手習いの間」の遺構があります。
なお、駿府城公園の東御門・巽櫓内の資料館には、臨済寺の「竹千代手習いの間」が復元されています。

Spot Access

臨済寺[国指定建造物、国指定名勝等有]
住所:静岡県静岡市葵区大岩町7-1
電話:054-245-2740
駐車場:あり
見学所要時間(参考):20分(境内見学のみ・見学不可の場合あり)

02

家康が元服式を行った神社「静岡浅間神社」

静岡浅間神社[国指定建造物]は、「おせんげんさん」の名前で親しまれている駿河国総社です。家康は、14歳の時、ここで元服を行いました。
浅間神社の背後には、賤機山城跡があります。1581年、家康は武田方となった賤機山城を攻め滅ぼすために、再建を誓いながら、社殿を焼き払いました。そして、5年後の1586年、家康は誓った通り、社殿を再建し、生涯にわたって敬いました。
このような経緯もあり、江戸時代を通じて、浅間神社は幕府の手厚い庇護を受けています。現在の社殿の多くは、1804年から60年余りの歳月と10万両の巨費を投じて再建されました。なかでも、高さ21mの壮麗な大拝殿は特徴的な建築物で、「浅間造り」と呼ばれています。

Spot Access

静岡浅間神社(神部神社浅間神社)[国指定建造物、国指定工芸品等所蔵]
住所:静岡県静岡市葵区宮ケ崎町102−1
電話:054-245-1820
駐車場:あり
拝観所要時間(参考):60分

03

大御所時代の家康が木陰で一休み「若宮八幡宮の大クス」

若宮八幡宮の大クス[市指定天然記念物]は、周囲11m・樹高は26mの大木で、樹齢1000年以上と推定されています。
静岡浅間神社境内の神部神社の神主を務めていた志貴家の伝えによると、武田軍の侵攻により駿府のまちが大火に包まれていた時も、その樹勢は衰えなかったそうです。また、駿府城に隠居した家康公は、しばしば若宮八幡宮を訪れて、その木陰で休んだとも伝えられています。

Spot Access

若宮八幡宮の大クス[市指定天然記念物]
住所:静岡県静岡市葵区浅間町1-40
電話:054-253-1170(するが企画観光局)
駐車場:なし
見学所要時間(参考):10分

04

家康の大御所時代の居城「駿府城」

家康は、三河・遠江・駿河・甲斐・信濃の5カ国に支配を広げると、今川氏の館跡に駿府城を築城し、居城とします。その後、秀吉の命令で関東に国替えとなりますが、隠居した後、大御所として駿府の地に戻り、大名を動員して駿府城を大改修しました。そのスケールは、江戸城をしのぐ規模だとも伝えられています。
現在、天守などの当時の建物は失われてしまいましたが、東御門・巽櫓(たつみやぐら)・坤櫓(ひつじさるやぐら)が復元されており、駿府城の歴史などを紹介しています。
近年の調査で、園内に初期と大改修後の2つの天守台が見つかっており、発掘現場を見学することができます。城跡は駿府城公園として整備され、園内には家康が植えたと伝えられる家康手植の蜜柑[県指定天然記念物]もあります。

Spot Access

駿府城公園
家康手植の蜜柑[県指定天然記念物]
住所:静岡県静岡市葵区駿府城公園1-1
電話:054-253-1170(するが企画観光局)
駐車場:なし(周辺有料駐車場利用)
見学所要時間(参考):60分(天守閣発掘現場・家康手植蜜柑・東御門等)

05

戦国時代の道と石垣の遺構が残る「静岡市歴史博物館」

静岡市歴史博物館は、家康を主な展示テーマとして、駿府城下町、東海道、清水港など静岡市の歴史文化を展示・発信する博物館です。
1階には、博物館の建設時の発掘調査で発見された「戦国時代末期の道と石垣」の遺構がそのまま残されています。道の幅は約2.7m、長さは30m以上。家康がつくった駿府のまちの当時の様子が分かる、全国的にも貴重な資料であり、家康が過ごした駿府城下町のまちなみの姿に思いをはせることができます。

Spot Access

静岡市歴史博物館
住所:静岡県静岡市葵区追手町4-16
電話:054-204-1005
駐車場:なし(周辺有料駐車場利用)
見学所要時間(参考):40分

06

家康をまつる荘厳な社殿「久能山東照宮」

1616年、家康が亡くなると、遺言により久能山に埋葬されました。家康をまつる社殿は、名古屋城も手がけた中井正清(なかい まさきよ)が大工の棟梁となり、造営されました。本殿・石の間・拝殿[国指定建造物・国宝]には、江戸時代初期の最高水準の建築技術・工芸技術が集積されています。また総漆塗・極採色の社殿は「権現造り」と呼ばれ、江戸時代に全国で多数造営された東照宮建築に受け継がれました。
併設の博物館には、初陣の家康が着用した金溜塗具足(きんためぬりぐそく)[国指定工芸品]、太刀<銘真恒(めいさねつね)>[国指定工芸品・国宝]など、家康・歴代将軍に関係する文化財約2000点が所蔵されています。

ここでひといき Tea Break

絶景を眺めながら静岡茶を「日本平夢テラス」

日本平夢テラスは、日本平山頂の展望施設です。2階にあるお茶カフェ「茶房 夢テラス」では、富士山・駿河湾・清水港・三保松原のパノラマを眺めながら、ティータイムが楽しめます。おすすめは、餡子たっぷりの「富士山どら焼き」。静岡茶と一緒にいただくと、幸せな気分になります。
また、日本平夢テラスから徒歩約3分にある、日本平ロープウェイ乗り場から久能山東照宮まではロープウェイ乗車約5分です。

Spot Access

日本平夢テラス
住所:静岡県静岡市清水区草薙600-1

足をのばして And More

晩年の家康が鷹狩りに訪れた「田中城」

田中城址[市指定史跡]は、本丸を中心に同心円状に堀と土塁をめぐらした「円郭式城郭」です。家康は、武田方の重要な軍事拠点だった田中城を何度も攻め、1582年に落城させています。
隠居して江戸から駿府城へと移った家康は、田中城周辺でしばしば鷹狩りを行いました。亡くなるまでの約7年間で15回以上も城を訪れたという記録が残っています。家康の死因は不明ですが、鷹狩りの途中に城中で食べた「鯛の天ぷら」が原因という説もあります。
現在、下屋敷の庭園跡を史跡公園として整備し、ゆかりの建築物を移築・復元しています。

Spot Access

史跡田中城下屋敷[市指定史跡]
住所:静岡県藤枝市田中3丁目14-1
電話:054-644-3345
駐車場:あり
見学所要時間(参考):30分

今回のモデルケース

今回のモデルコース

JR東海道線 静岡駅
バスで15分
しずてつバス 臨済寺バス停
徒歩5分
01 臨済寺
見学所要時間(参考)/20分
徒歩15分
02 静岡浅間神社
見学所要時間(参考)/60分
徒歩5分
03 若宮八幡宮の大クス
見学所要時間(参考)/20分
徒歩15分
04 駿府城公園
見学所要時間(参考)/60分
徒歩5分
05 静岡市歴史博物館
見学所要時間(参考)/40分
徒歩5分
新静岡セノバ バスターミナル
バスで50分
しずてつバス 日本平ロープウェイバス停
ロープウェイ5分
06 久能山東照宮
見学所要時間(参考)/90分
ロープウェイ5分
しずてつバス 日本平ロープウェイバス停
バスで50分
新静岡セノバ バスターミナル
徒歩10分
JR東海道線 静岡駅
散策途中
Tourism Association この地域の観光協会

するが企画観光局 静岡市総合観光案内所
Tel.054-253-1170 [営業時間]9:00-17:45・年末年始(12/29-1/1)休業

藤枝市観光協会
Tel.054-647-1144 [営業時間]9:00-18:00・年末年始休業

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愛称「レガシズ」は、英語の「レガシー(legacy=遺産・財産・受け継いだもの)」と、静岡県の「シズ」から付けられました。
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