函南町桑原区の仏像
伊豆半島北部の内陸部に位置する函南町の桑原区では、平安時代から鎌倉時代に制作されたものを含む仏像24体が地域によって守られてきました。現在、この仏像群は函南町に寄付され、町が設けた美術館により保存と公開、活用が行われています。
桑原区では、平安時代に桑原・小筥根山新光寺という大きな寺院が建立されたことが『箱根山縁起并序』に記載されています。また、阿弥陀三尊像については、『吾妻鏡』に石橋山合戦で戦死した北条宗時(北条時政の嫡男)の墳墓堂が伊豆国桑原郷にあったことが記されていることなどから、時政が戦死した息子の慰霊のために、慶派の仏師である実慶に造像させたものと考えられています。伊豆半島の地域には、源頼朝や北条氏が関係した寺社や仏像、遺跡が多くあります。